Make Noise 0-Coast!

やってきました!



モジュラーフェス直前に噂の新商品が超少量のみ入荷しました! Make Noiseが始めてリリースするテーブルトップシンセサイザー、"0-Coast"です。 今年のNAMMショーの頃よりアナウンスされ、ユーロラック界でもトップクラスの人気を誇るMake Noiseの非モジュラーシンセなだけにとても注目を浴びているようです。フェスでもClockfaceブースで試奏可能です。

O-Coast?

この"0-Coast"(オーコースト)の名前の由来ですが、「イーストコースト」と「ウエストコースト」2つのスタイルのシンセサイザーに影響を受けつつも、そのどちらにも属さない新しいタイプのアナログシンセだというような意味合いだと思います。この「イースト」、「ウエスト」という2つのスタイルに馴染みのない方もいるかもしれませんが、
  • イーストコーストシンセ・・・アメリカ東海岸(アッシュビル)のMoogを端緒とする、フィルターや音階つきキーボードを重視したタイプのシンセサイザー。Moog氏は職業的なミュージシャンに使ってもらえるよう、鍵盤をつかった従来的な演奏が可能なようにシンセをデザインしました。
  • ウエストコーストシンセ・・・アメリカ西海岸(サンフランシスコ)のBuchlaから大きく影響を受けた、実験的でオルタナティブなタイプの音楽を指向したシンセサイザー。Buchla氏は自力でシンセの開発を行う前はテープのエディットを駆使した実験的な音楽のアーティスト兼NASAの技術者でした。西海岸シンセにはそういった実験的だったり、宇宙的だったりする要素がふんだんに含まれています。
というような意味です。 歴史的にはほぼ同時期に製品化され、全く異なる哲学を持っていた2つのシンセサイザーにちなんだスタイルの名前なんですね!今主流となっているユーロラックのモジュラーではそれらの垣根はなく、ローパスゲートやウェイブフォルダーといったウエストコーストに因んだ音色作りも、フィルターによるベーシックな音色作りも混在させることができますし、デジタルモジュールなどもあるので、好きに組み合わせていくことができます。ウエストコーストとイーストコーストの歴史的な経緯は、まもなく日本語版がリリースされるモジュラーシンセドキュメンタリー映画、"I Dream of Wires"でも大きく取り上げられています。こちらのドキュメンタリー映画についてはまた近々・・・

確かに0-Coastにはフィルターやローパスゲートといった典型的な東海岸・西海岸の音色生成機能はつきませんが、"Overtone"や"Multiply"といった倍音を付加するセクションがあります。Slopeをサイクルモードで使うことでFMも行うことができますね。エンベロープは"Slope"と"Contour"の2つありますが、Slopeはサイクルモードや"Rise"と"Fall"コントロールがつくので西海岸的なエンベロープ、ContourはOnsetといったネーミングやサステインがあることから東海岸的なエンベロープと言えます。またランダム電圧機能などもつきます。

早速触ってみましたが、まず音色が既存のテーブルトップのアナログシンセの中では独特です。もちろんMake Noiseなどのモジュラーを触っている方ならそれなりに聞き覚えのある質感ですが。また下の写真でもやっているように、0-Coastの中だけでパッチしあう"セルフパッチ"で色々遊べるところや、テーブルトップシンセとして見てもかなりユニークで、電圧シンセ入門としてとても良さそう。MIDIも搭載され、そのあたりの使い勝手も非常に良いです。



是非モジュラーフェスで0-Coastを触ってみてくださいね!
Make Noise 0-Coast! Make Noise 0-Coast! Reviewed by Clockface on 17:24 Rating: 5
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